ISO略号 | 品 名 | 通 称 |
---|---|---|
NR | natural rubber(天然ゴム) | |
CR | chloroprene-rubber (クロロプレンラバー) |
neoprene(ネオプレン) |
IIR | isobutylene-isoprene rubber (イソブチレン・イソプレン・ラバー) |
butyl rubber(ブチルゴム) |
NBR | acrylonitrile-butadiene rubber (ニトリル・ブタジェン・ラバー) |
Hycar(ハイカー)、ニトリルゴム ブタジェンアクリロニトリルゴム、ブナN |
EPM EPDM | ethylene-propylene rubber
(エチレン・プロピレンラバー) エチレンとプロピレンの ゴム状共重合体をEPMといい、 重合体と側鎖に不飽和基を持たせたものをEPDMという。 これらを総称してエチレンプロピレンゴム(EPR)という。 |
etylene-propylene rubber (EPゴム・エチレンプロピレンゴム) ethylene-propylene terpolymer (EPT・エチレンプロピレンターポリマー) EPDM(Ethylene propylene Diene Polymethylenelinkage) エチレンゴム |
CSM | chlorosulfonated polyethylene
(クロロスルフォン化ポリエチレン) |
hypalone(ハイパロン) |
U | urethane rubber(ウレタンゴム) | polyurethane rubber(ポリウレタンゴム)、UR |
AU | polyester urethane(ポリエステルウレタン) | ウレタン#100、エステル系ウレタン |
EU | polyether urethane(ポリエーテルウレタン) | ウレタン#200、エーテル系ウレタン |
Q | silicone rubber(シリコーンゴム)* | Siと略されることが多い。SR、VMQ(ビニルメチルシリコーン) |
FKM | fluoro rubber(フッ素ゴム) fluorine-contained rubber |
viton(バイトン)、FR、FPM viton(バイトン)、FR、FPM 旧ISO、旧ASTMは「FPM」でしたが更新され、現在ではISOもASTMも「FKM」です。 |
FEPM | Tetrafluoroethylene and propylene
(四フッ化エチレンとプロピレンとの ゴム状共重合体ゴム) (テトラフルオロエチレン -プロピレン系フッ素ゴム) |
AFLAS(アフラス 旭硝子の商品名) |
FFKM | Perfluoroelastomer
(パーフロロエラストマー) |
Kalrez(カルレッツ デュポンの商品名)、パーフロ |
*シリコーンとシリコン
日本語でも英語でもたった一字の違いであるこの言葉は内容的には大きな違いがあります。
〔シリコーン〕(Silicone)はケイ素と酸素を含む有機樹脂(オルガノポリシロキサンと同義)であり、オイル、ゴム、ワニスの形でシーリング材や電気絶縁材料として広く使用されており、無機物による耐熱、耐寒性と有機物による可塑性を兼備した高分子材料です。
〔シリコン〕(Silicon)は元素記号Siで表されるケイ素を意味し、物質としては、グレー色をした金属状のものです。不純物を含む時の半導体特性を活かして電子材料に使われます。半導体用のシリコンウェハー、合金のフェロシリコンなどが、このシリコンの応用製品の例です。
厚さ
種類 | 一般ゴム板 | 天然ゴム板 | 布入ゴム板 |
---|---|---|---|
厚さ | |||
1㎜ | ±0.2 | ±0.2 | - |
1.5㎜ | ±0.2 | ±0.2 | ±0.2 |
2㎜ | ±0.25 | ±0.25 | ±0.3 |
3㎜ | ±0.3 | ±0.3 | ±0.4 |
4㎜ | ±0.3 | ±0.3 | ±0.4 |
5㎜ | ±0.4 | ±0.4 | ±0.5 |
6㎜ | ±0.45 | ±0.45 | ±0.5 |
8㎜ | ±0.5 | ±0.5 | ±0.5 |
10㎜ | ±0.55 | ±0.55 | ±0.6 |
12㎜ | ±0.6 |
+0.9
-0.5 |
±0.7 |
15㎜ | ±0.7 |
+0.9
-0.5 |
±0.8 |
20㎜ | ±0.8 |
+1.1
-0.5 |
±1.0 |
25㎜ | ±1.0 |
+1.5
-0.5 |
±1.25 |
30㎜ | ±1.2 |
+2.0
-0.5 |
±1.5 |
40㎜以上 | ±4% |
+5%
-3% |
±5% |
幅
1000mm | +20 -0 |
(長尺の場合) |
長さ
長さ | 許容差cm |
20m | +15 -0 |
10m | +12 -0 |
5m | +8 -0 |
1m | +2 -0 |
※上記は標準品における社内規格の一部です。
|
アスカー 型式 |
特 徴 | 準拠規格 | スプリング荷重 | 写 真 | |
0度 | 100度 | ||||
A | 国内外の規格に広く採用されている「タイプA デュロメータ」。 ISO規格やJIS K 6253準拠の中硬さ用デュロメータとして、各種ゴム製品の硬さ測定の主流となっています。 国際的な取引では、ISO(国際標準化機構)に準拠したタイプAデュロメータ(DUROMETER)が使用されます。 |
JIS K 6253 JIS K 7215 ASTM D 2240 ISO 7619 ISO 868 DIN 53 505 |
550mN 56g |
8050mN 821g |
硬度計の型式としてはタイプAが最も一般的です。
タイプDは、タイプAによる測定値が90以上の硬質ゴム用
タイプEは、タイプAによる測定値が20以下の軟質ゴム用
規格 | 規定されているタイプ | 測定値読み取りの タイミング |
タイプAによる 測定値50の表記 |
測定結果の まとめ方 |
---|---|---|---|---|
JIS K 6253 -2012 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム 硬さの求め方 |
タイプA、D、Eデュロメータ | 加硫ゴム3秒 熱可塑性ゴム15秒 または一定時間後 |
A50 | 5点中央値 |
JIS K7215 -1986 プラスチックのデュロメータ 硬さ試験方法 |
タイプA及びDデュロメータ | 原則として1秒以内 | HDA50 | 少なくとも5点の 平均値 |
JIS K 7312 -1996 熱硬化性ポリウレタンエラストマー 成形物の物理試験方法 |
タイプA(ショアA) タイプD(ショアD) タイプC(アスカーC) |
密着後直ちに | HsA50 | 5点中央値 |
ISO 7619 -2010 ゴム・ポケット硬度計による 硬さ試験方法 |
タイプA、E(AO)、 Dデュロメータ |
加硫ゴム3秒 熱可塑性ゴム15秒 または一定時間後 |
A50 | 5点中央値 |
ISO 868 -2003 プラスチック・デュロメータ 硬さ試験方法 |
タイプA及びDデュロメータ | 密着させて1秒以内。 または15±1秒 |
A/50/1 | 5点平均値 |
ASTM D 2240 -05 ゴム特性・デュロメータ 硬さ試験方法 |
タイプA、B、C、D、E、 DO、O、OO デュロメータ |
密着させて1秒以内 (最大値)。 または取り決めた一定時間後。 |
A/50/1 | 5点中央値 |
DIN 53 505 -2000 ゴム及びプラスチックの ショアA、D硬さ試験 |
タイプA及びDデュロメータ | 3秒後 または 15秒後 | 50A (経過時間を明記) |
最低3点の中央値 |
耐薬品性については巻末の資料をご覧ください。 |
この性能表は、各種原料のゴムの大まかな特性について記したもので、
ゴム製品の性質を完全にあらわしたものではありません。
ゴムは配合によってちがった特性もあらわれます。
適用温度範囲は目安として、ご使用ください。
ご使用に際しては事前にご確認ください。
◎すぐれている ○よい △あまりよくない ×わるい
ゴ ム の 種 類 (ISO略号) |
天然ゴム アメゴム (NR) |
クロロプレ ンゴム (CR) ネオプレン |
ブチルゴム (IIR) |
ニトリル ゴム (NBR) ハイカー |
エチレン・ プロピレン ゴム (EPM) (EPDM) |
クロロスル フォン化ポ リエチレン (CSM) ハイパロン |
ウレタン ゴム (U) |
シリコーン ゴム (Q) |
フッ素 ゴム (FKM) |
|
主な特長 | いわゆるもっともゴムらしい弾性をもったもの | 耐候性 耐熱性 耐薬品性 耐油性 |
耐化学薬品性 気体不透過性 耐熱性 |
耐油性 耐摩耗性 |
耐老化性 耐溶剤性 耐候性 |
耐老化性 耐薬品性 耐熱性 |
耐摩耗性 耐候性 耐油性 |
高度の耐熱性と耐寒性 耐油性 |
最高の耐熱性と耐薬品性 | |
ゴムの物理的性質および耐性 | 反ぱつ弾性 | ◎ | ◎ | △ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | △ |
引裂強さ | ◎ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | ◎ | ×~△ | ○ | |
耐摩耗性 | ◎ | ○~◎ | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ×~△ | ◎ | |
耐屈曲亀裂性 | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ×~○ | ○ | |
耐熱性 (最高使用温度℃) |
120 | 130 | 150 | 130 | 150 | 150 | 80 | 230 | 280 | |
耐寒性(脆化温度℃) | −50~−70 | −35~−55 | −30~−55 | −10~−20 | −40~−60 | −20~−60 | −30~−60 | −70~−120 | −10~−50 | |
耐老化性 | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | |
耐 候 性 | ○ | ○ | ◎ | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | |
耐オゾン性 | × | ◎ | ◎ | × | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | |
耐 炎 性 | × | ○ | × | ×~△ | × | ○ | ×~△ | ×~○ | ◎ | |
耐ガス透過性 | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | △ | ◎ | |
耐放射線性 | △~○ | △~○ | × | △~○ | ×~△ | △~○ | ○ | △~◎ | △~○ | |
耐溶剤性 ・耐油性 |
ガソリン・軽油 | × | ○ | × | ◎ | × | ○ | ◎エステル | ×~△ | ◎ |
ベンゼン・トルエン | × | × | △~○ | ×~△ | △ | ×~○ | ×~△ | ×~△ | ◎ | |
トリクロロエチレン | × | × | × | × | × | ×~△ | ×~△ | ×~○ | ○ | |
アルコール | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ◎ | |
エーテル | × | ×~△ | △~○ | ×~△ | ○ | × | × | ×~△ | ×~△ | |
ケトン(MEK) | △~○ | △~○ | ◎ | × | ◎ | △~○ | × | ○ | × | |
酢酸エチル | ×~△ | × | ◎ | ×~△ | ◎ | × | △~○ | △ | × | |
耐アルカリ性 ・耐酸性 |
水 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ○ | ◎ |
有機酸* | × | ×~△ | △~○ | ×~△ | × | △ | × | ○ | × | |
高濃度無機酸 | × | ○ | ◎ | △ | ○ | ◎ | × | △ | ◎ | |
低濃度無機酸 | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | △ | ○ | ◎ | |
高濃度アルカリ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | × | ◎ | × | |
低濃度アルカリ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | × | ◎ | △ |
*有機酸とは、ギ酸、酢酸、クエン酸、ショウ酸など
硬さ (hardness) |
ゴムの表面に押付けられた押針や球などの圧入に対するゴムの抵抗を表す数値をいう。 |
引張強さ (tensile strength at break) |
試験片が引張りを受け破断するまでの最大応力をいい、通常最大荷重を試験片の元の断面積で割った値で示す。 |
切断時伸び (elongation at break) |
試験片が引張りを受けて生ずる引張り方向の変形をいい、元の長さに対する伸びた長さの比を百分率として表す。 JISでは「切断時伸び」を単に「伸び」という。 |
圧縮永久ひずみ (compression set) |
ゴムの圧縮方向の永久ひずみをいい、試験片を一定の圧縮割合で圧縮し、規定温度に規定時間保持した後荷重を除き、規定時間放置し、減少した厚さの圧縮変形の厚さに対する百分率で表す。 |
永久伸び (tension set) |
ゴムにある変形を与え、次いで負荷を取り去り放置しても、完全には原形にもどらないで残る伸びをいう。 |
引裂強さ (tear resistance) |
試験片が引張りを受けたときの引裂に対する強さをいい、引張ったときに試験片が引裂かれる最大応力を試験片の厚さで割った値で示す。 |
耐油性 (oil resistance) |
油との接触による体積の変化あるいは物理的性質の低下に対するゴムの抵抗をいう。 |
難燃性 (flame resistance) |
炎に触れても燃えにくく、また着火した場合も炎をあげて燃焼を続けにくい性質をいう。 |
ゴム弾性体の欠点の一つに老化現象があげられます。これは日光、紫外線、酸素、オゾン、熱などによって材質が変化し機械的な特性を失う現象をいいます。
ゴムの老化現象を防ぐため、配合する場合に老化防止剤が用いられます。
しかしながら、ゴム自体は直射日光、紫外線、酸素、オゾン、熱をできるだけ避けて使用することが、ゴム本来の性能を持続させるに有効な対策であるといえます。また、劣化要因の大部分が、熱によって促進されることにもご注意ください。
原因 | ゴム表面の状態 |
酸素による老化 | 表面の硬化・ワレ(SBR・NBR) 表面の軟化(NR) |
オゾンによる老化* | 表面の平行状キレツ(オゾンクラック) 応力がかかった方向の垂直方向にキレツ |
紫外線による老化 | 表面の亀甲状キレツ(クレージング) ランダム方向にキレツ |
熱による老化 | ゴム全体の硬化(SBR・NBR) ゴム表面の軟化・粘着(NR) |
変形(二次的)による老化 | 屈曲キレツ(酸化+応力) |
*湿度が高い環境ではオゾンの吸収量が大きくなり、オゾン劣化の進行速度は早くなります。
表1-耐熱性の区分 | ||||
耐熱性 | 試験温度a) ℃ |
耐熱性 | ||
---|---|---|---|---|
引張強さ 変化率 |
切断時伸び 変化率 |
硬さ変化 | ||
A | 70 | ±30%以内 試験方法 JIS K 6251 |
-50%以内 試験方法 JIS K 6251 |
±15以内 試験方法 JIS K 6253-2,-3 |
B | 100 | |||
C | 125 | |||
D | 150 | |||
E | 175 | |||
F | 200 | |||
G | 225 | |||
H | 250 | |||
J | 275 | |||
K | 300 | |||
注a)試験温度は、促進老化試験時の温度であるので、必ずしも実使用時に耐える温度の意味ではない。 注a)実使用時のゴムパッキン材料選定には、用途、使用環境、使用設備などを考慮した総合的な判断が必要である。 |
表2-耐油性の区分 | |
耐油性 | 体積変化率の範囲a) % |
---|---|
A | 140を超えるもの(又は規定せず) |
B | 121~140 |
C | 81~120 |
D | 41~80 |
E | 21~40 |
F | 0~20 |
G | 0を超えないもの(体積変化率が負のもの) |
注a)体積変化率の範囲には、油の吸収による膨潤又は油の抽出による収縮を含む。 |
表3-耐寒性の区分 | |
耐寒性 | 50%の衝撃ぜい化温度a) ℃ |
---|---|
A | 0 |
B | -10 |
C | -25 |
D | -40 |
E | -55 |
F | -70 |
G | -85 |
H | 規定せず |
注a)衝撃ぜい化限界温度については、受渡当事者間の合意によって、※表A.2の追加記号“F”の追加性能で規定することができる。 |
※表A.2については、JIS K 6380-2014の本文を参照願います。
表4-物理特性の表示区分 | |||||||
硬さ | 引張強さ | 切断時伸び | 圧縮永久ひずみa) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
表示 数字 |
タイプAデュロメータ 又は IRHD(N法)の許容差 |
表示 数字 |
(最小) MPa |
表示 数字 |
(最小) % |
表示 数字 |
(最大) % |
設計値 (2桁の整数) |
±5以内 | 0 | 規定せず | 0 | 規定せず | 0 | 規定せず |
1 | 3 | 1 | 50 | 1 | 80 | ||
2 | 5 | 2 | 100 | 2 | 60 | ||
3 | 7 | 3 | 150 | 3 | 50 | ||
4 | 10 | 4 | 200 | 4 | 40 | ||
5 | 14 | 5 | 250 | 5 | 30 | ||
6 | 17 | 6 | 300 | 6 | 25 | ||
7 | 20 | 7 | 400 | 7 | 20 | ||
8 | 25 | 8 | 500 | 8 | 10 | ||
9 | 35 | 9 | 600 | 9 | 5 | ||
試験方法 JIS K 6253-2,-3 |
試験方法 JIS K 6251 |
試験方法 JIS K 6251 |
試験方法 JIS K 6262 |
||||
注a) 圧縮永久ひずみ試験の試験条件は、基本性能b)①(耐熱性)で規定する試験温度で24時間経過後の測定とする。 |