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ガスケットの材質

ガスケットを材料から分類すると次のようになります。

  1. ソフト(非金属)ガスケット

    ジョイントシート
    ゴムシート
    フッ素樹脂
    紙質
    コルク

    ゴム引織布
    膨張黒鉛

  2. セミメタリックガスケット

    うず巻形
    メタルジャケット

  3. メタルガスケット

    金属平形
    のこ歯形
    リングジョイント
    金属Oリング

  4. 液状ガスケット
ソフトガスケット セミメタリックガスケット
メタルガスケット 液状ガスケット

ガスケットの選定に際して

  1. 使用条件に適合した材質をご選定ください。 使用選定表は、各カタログやハンドブック、技術手帳に詳しく記載されていますので、ご参照ください。
  2. 材質に関してご不明の点はお気軽にご相談ください。 選定を依頼されるばあいは、少なくとも次の4点は明示する必要があり、そのほかの条件もあればできるだけ詳しくご指示ください。
  1. 用途
    • 使用されるプラントあるいは機器の種類を確認し、ガスケットに特別な配慮をする必要があるかどうかを検討します。製造プロセス上重要な箇所であったり、万が一漏れが発生した場合に周囲に与える影響が大きい箇所などは、信頼性の高いガスケット材質を選定することが必要です。
    • 原子力用(塩素イオン濃度)、フランジのガスケット座形状との適否等によりガスケットの種類を考慮します。
  2. 流体(名称・濃度)
    • ガスケットの耐食・耐薬品性、流体の浸透性、毒性、引火性、爆発性などを考慮します。
  3. 圧力(MPa )
    • ガスケットの耐圧性を考慮します。
  4. 温度(℃)
    • ガスケットの耐熱性を考慮します。
  1. そのほか考慮すべき点として、選定されたガスケットが製作可能な寸法と形状であるか否か、ガスケットの締付圧力が適合するか否か、締め付け・取り外し作業の容易性、経済性、入手性(納期)等があります。
ガスケット選定サイトは下記で検索
ニチアス「ガスケットNAVI」
バルカー「シール・クイックサーチャー」

ガスケットの選定例

 << PDFファイルをダウンロードしてご覧ください。

ガスケットと使用機器

ガスケットの種類 機    器
配管 熱交換器 バルブ 塔槽反応器 ポンプ
ジョイントシート
膨張黒鉛ガスケット
PTFE包みガスケット
充填材入りPTFEガスケット
うず巻形ガスケット
膨張黒鉛貼付溝付金属ガスケット
メタルジャケット形ガスケット
メタル平形ガスケット
のこ歯形ガスケット
リングジョイントガスケット

注)
◎ 使用頻度の高いもの
○ 使用されているもの
- 使用頻度は低いが条件によって使用可能

ジョイントシート・高温用シート

ジョイントシート集合

◎用 途
 ジョイントシートは必要な形状・寸法に加工され、広範囲の産業、機器等で使用されます。特に、管フランジ用ガスケットや、機器の接合部のガスケットに使われています。
◎構 造
 ジョイントシートは、繊維材料・充填材・ゴムとゴム配合薬品を均一に混合させた後、加熱ロールで加圧圧延して得られたシート状のガスケット材料です。
 また、高温用シートとして膨張黒鉛を主体としたもの(黒色)や酸化アルミニウムを主体としたもの(白色)、シリカ(石英)を主体としたもの(白色)があり、そのなかにゴムをバインダーとして使用したものや、PTFEをバインダーとして使用したものがあります。
製品対照表
用   途 ニチアス トンボ№ バルカー№
汎   用 1995(183℃) 6500(183℃)
汎用白色 1995-W(183℃) 6503(214℃)
耐 熱 用 1993(215℃)
1120(260℃)
6502(214℃)
高 温 用 水・油・蒸気等
ユーティリティー用途
1120(260℃黒色)
1155(300℃黒色)
GF300(300℃黒色)
酸・アルカリ等
耐薬品用途
1133(300℃白色) MF300(300℃白色)
GF300(300℃黒色)
ステンレス鋼
フランジ用
1995(183℃) 6500AC(183℃)
1995-W(183℃白色) 6503AC(214℃白色)
1133(300℃白色)
(食品衛生法適合)
GF300(300℃黒色)
(食品衛生法適合)
MF300(300℃白色)
(食品衛生法適合)
上 水 用 1995
1993
1120
6500
冷凍機用 1991-NF 6502
ガスケット選定サイトは下記で検索
ニチアス「ガスケットNAVI」
バルカー「シール・クイックサーチャー」
ご注文に際して
  1. 管フランジ用ガスケットについては、10、77ページをご参照ください。
  2. 複雑な平面形状のばあいには、詳細な図面の添付が必要です。
  3. 150A以下のフランジには1.5㎜厚を奨めます。
    (ガス洩れ防止、圧縮つぶれ防止のため)
  4. なるべくガスケットペーストを併用し、ガスケットの両面および内径側の切り口にうすく均一に塗布してください。 (ただし40A以下には塗布する必要はありません。)
ご使用に際して
  1. 使用条件に適合した材質をご選定ください。
  2. ガスケットの内外径がはみ出さないように寸法をとり、ボルト孔はボルト径よりやや大きくしてください。
  3. ガスケットペーストを使用すると、シール性を高めたり、解体作業時にはがしやすくできますので、ご検討ください。
  4. フランジ面を正しく平行にしてください。
  5. フランジ面を洗浄し、キズなどをとりのぞいてください。
  6. ガスケットはフランジ面が平滑で狂いのない場合は、厚いものより薄いものを使用することがより効果的です。
  7. ボルトの締付は片締めにならないように相対位置を均等に締付けてください。

管フランジ用ガスケット

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特に注意を要する流体

選定上特に注意を必要とする流体は次のとおりです。

  1. 酸素・支燃性ガス

    可燃性材料を用いたガスケットは避けるべきです。ジョイントシートは有機質を含んでいますので酸素・支燃性ガスにはお勧めしません。PTFEうず巻形ガスケット、PTFE系ガスケット、銅製ジャケット形ガスケット、金属平形ガスケットが多く使用されています。

  2. 重合性モノマー

    スチレンモノマーや塩ビモノマーなどの重合性モノマーには、ジョイントシートやPTFE系ガスケットは使用できないことがあります。膨張黒鉛内外輪付うず巻形ガスケット、メタルガスケットが適しています。その際、締付時に十分な締付圧力を負荷してください。モノマーラインに適したガスケットとしてトンボNo.9007-MLがあります。ラジカル重合環境下において、モノマー流体がガスケットに浸透・滞留し、体積膨張で破壊する「花咲き現象」を抑え、長期にわたり安定したシール性を示します。

  3. スラリーを含む流体

    非金属ガスケットはエロージョンにより破損・漏洩することがあります。内外輪付うず巻ガスケットやメタルガスケットが適しています。

  4. 熱媒体油

    ジョイントシートはゴムバインダーが劣化し漏れを生じます。膨張黒鉛のシートガスケットや膨張黒鉛うず巻形ガスケットが適しています。

  5. 放射性流体

    PTFEは放射線に弱く使用できません。膨張黒鉛は1×106Gyの耐放射線性があります。膨張黒鉛のシートガスケットや膨張黒鉛うず巻形ガスケットが使用されます。放射線量を確認して選定すべきです。

建築設備のガスケット選定

通常の一般工業用プラントは、数年に一度メンテナンスを行い、その際にガスケットを交換するので、ガスケットの取り付け取り外しは比較的容易です。
これに対して、建築設備はガスケットの交換をしないことが前提として設計されており、ガスケットにはより長い寿命や高い安全性が求められます。
一般にゴムが含まれている製品は、高温あるいは使用期間が長くなると、ゴムが酸化されて硬化あるいは脆化します。また、PTFEも高温あるいは使用期間が長くなるとクリープにより締付圧力が低下します。
このことから超高層ビルの配管のように、ガスケットのメンテナンスが困難で、長寿命と高い安全性が要求される場合は、すべての箇所(樹脂被覆鋼管、樹脂管、煙道管の高い締付面圧をかけることのできないフランジは除く)で、膨張黒鉛フィラーの内外輪付きうず巻形ガスケットが使われるケースが増えてきました。
通常の建築設備でも、100℃以下は汎用のジョイントシート、それ以上では膨張黒鉛フィラーの内外輪付きうず巻形ガスケットに統一すると、品種を少なくすることができます。